1.背景、目的、意義
1.1背景
日本は、科学技術(S&T)分野では世界有数の先進国です。第二次世界大戦後の日本の奇跡的な経済発展を科学技術が支え、日本は世界経済地図上でトップ3に入る経済大国となりました。日本は、科学技術が社会経済の発展に大きく貢献した典型的な例です。21世紀に入り、気候変動、環境汚染、天然資源の枯渇、自然災害、疾病など、人類が地球規模で深刻な問題に直面している中で、科学技術の重要性はますます高まっています。そのような中で、ベトナムも世界の先端技術を取り入れ、国内外の専門家や科学者を活用して豊かな国になっていくことが求められています。
近年、日本に滞在するベトナム人の数は増加の一途をたどっており、その中には科学技術の幅広い分野で専門家として活躍する人も目立っています。また、ベトナムへの実践的な貢献も増えてきています。2016年に設立された一般社団法人在日ベトナム学術ネットワーク(VANJ)は、日本におけるベトナム人専門家コミュニティの成長の典型的な例です。
1.2 目的
日本の科学技術に関する有益な情報をベトナム国内外の多くのベトナム人に提供したいとの思いから、VANJは「日本の科学技術の紹介」という本を作成するプロジェクトを立ち上げました。このプロジェクトは非営利のプロジェクトであり、将来的には定期的な出版物の発行を目指して長年の運営が期待されています。これらの出版物はVANJのチャンネルに掲載され、すべてのコンテンツは読者が自由にアクセスできるようになります。
この本の内容は、特定の科学分野に限定されるものではなく、むしろ日本の科学技術の包括的な全体像を提供します。但し、ベトナムが直面している重大な問題を解決することができる日本の強みと技術の分野に特に焦点を当てます。
1.3 意義
本プロジェクトの成果は、下記のように、ベトナムの多くの人々に大きな恩恵をもたらすことが期待できます。
- 学生の対象について:現在、日本は多くのベトナム人学生にとって理想的な留学先となっています。この本は、日本の科学技術に関する最新の情報を提供し、学生が来日前や来日後に専攻や学校を選択する際の参考になるでしょう。
- 研究者、科学者の対象について:ベトナムの科学者が日本の科学技術の状況を把握するのに役立つ情報を提供し、両国間の科学研究協力を促進する。
- 企業関係の対象について:この本に掲載されている日本の最新技術に関する情報は、ベトナムと日本の経済協力や技術移転に役立ちます。
- 機関・省庁:この本に掲載されている日本の科学技術の全体像は、ベトナムにおける科学技術政策に不可欠な参考資料となります。
- さらに、日本にいるベトナムの専門家や科学者の対象に対して、この本の作成に参加することはベトナムに直接貢献する機会となります。また、これにより、各人はネットワークを広げ、研究や技術開発において仲間と協力する機会をより多く得ることができます。
2. 2021年日本の科学技術選集 創刊号
2020年7月にVANJにより「日本の科学技術入門」の選集刊行のプロジェクトが正式に実施され、2021年に創刊号が出版されました。
(https://jst.vanj.jp/index.php/category/volume-1-2021/)。
創刊号は、日本とベトナムの様々な研究機関、大学、企業から寄稿された9分野35編の論文で構成されています。
3. 2022年度活動計画
- 日本の科学技術選集第2号の刊行
2022 年には、日越関係 50 周年を機に 2023 年に 2 冊目の選集を出版するため、このプロジェクトは引き続き展開されます。各記事は、ベトナムの現行話題を巡りそのニーズを満たす分野とトピックに焦点を当てます。これらの出版物は、本プロジェクトの公式サイト (https://jst.vanj.jp/) および VANJ の情報チャンネルに掲載されます。
- ウェブサイトでの定期的な発行を維持し、それからベトナムと日本の科学技術ポータルに変えます。
コンサルティング活動の実施と促進、研究協力と技術移転の支援に向け、日本におけるベトナム人ネットワークの学術活動の交流とつながりを強化します。
重要なタイムライン
• 2023 年 1 月 23 日: 記事執筆の登録を開始
• 2023 年 2 月 15 日: 記事の執筆期限
• 2023 年 3 月 1 日: 結果発表
• 2023 年 4 月 30 日: 完成した論文の提出期限
4. 論文執筆の応募
執筆者は、専門家、科学者、大学・研究機関の研究者や学生、企業の専門家等です。(ただし、これらに限定されません)。論文の言語はベトナム語、日本語または英語です。
5.その他の情報
商用性: プロジェクトの出版物は商用化されなく、すべての読者に無料で提供されます。
所有権: 日本の科学技術選集の所有権は、プロジェクト実施機関 (VANJ) に属します。お問い合わせと質問等は、VANJ 編集委員会までご連絡をお願いします。
メールアドレス: jst@vanj.jp